『トラペジウム』を観てきた。
直で刺さるような相性の良い内容ではないのに何故か尾を引きずる不思議な作品だった。
公式と解釈違いを起こしているようなもので、最後にあれを観たときに喚起される感情が途方も無い絶望であってほしいのよね。
ラストシーンから (多分意図せず) 「ひとは生きながら光を喪っていくものなのだ」という狂おしいくらいの閉塞感を感じていて、なおかつそこに惹かれてしまったがゆえに、それを際立たせる構成になっていない (当たり前だ) のが悔しい感じ。
わちゃわちゃと準備をしている間のあのトラペジウムの輝きに恋い焦がれてほしい。
それはそうと感情の動きを隠喩だったり経験則で悟らせるタイプの作品で、それはそれで良いのだけれども、キャラクター (ゆう・くるみ) が魅力的すぎてこの子たちの激情をもっと観たかったという思いもある。