ぺんぎんの営巣地

ほとんど個人的な日記だよ。毎日こうしん。

20210701

『セッション』を観た。

いまの時代スパルタ式を賛美するような内容で作っても響かないだろうし、逆に甘い内容になっても物語的には微妙だしどうするのだろうと思っていたけれど、最後はストーリー的に上手く消化していて気持ちよかった。
怒りの感情ってエンターテイメント性がめっちゃ強いと思うし、その「もうどうにでもなってしまえ」という一線を超えた破滅的なエネルギーが演奏に転化するときのカタルシスがすごい。
本当にもうあの演奏が終われば何も残らないのだろうし、だからこそこんなに印象的な幕切れが生まれたんだなあという感じ。

というか最後のcaravanの長回しは本当に息が詰まるほどの演技で、あの部分を味わえただけでもこの映画を観た価値があった。
ニーマンの主観を反映して (?) 途中の音が消えた部分だけが残念。
最初から最後まで本当に通しで聴かせて狂気を味わわせてほしかった。

ジャズバーでのフレッチャーの台詞はどこまでが本心なのか読めないけれど、あらゆるものをかなぐり捨てることでしか生み出すことができないマスターピースがあるとすれば、人間ひとりの人生をまるごと薪のように燃やしてでもそれを抽出しようとしない限り誰もそれを味わうことはできないんだよなあ。

そんな名作を観たあとに何故か『シャークトパス』を観ていた。
これ本当に映画としての体裁は整っていて、整っているからこそ見どころが……って感じ。
いやまああのCGがひとを襲う馬鹿馬鹿しさはめっちゃ好きなんだけど。