ぺんぎんの営巣地

ほとんど個人的な日記だよ。毎日こうしん。

20240528

極限スケジュールで業務後に『オッペンハイマー』を観てきた。
昨日の夜チケットを予約したときには1席も売れていなかったから、ガラガラの部屋を満喫するつもりでど真ん中の席を取ったのに結局両隣が埋まっていた……。

赦しを求める気持ちを、赦しに依らず昇華させる映画だった。
赦されないという事実に名分を設けて折り合いをつけていくことについて。
その折り合いをつけられないのならば、プロメテウスの火を得た人類はもはや自らを滅ぼすしかない。
一線を超えてしまったら元には戻れないのだ。
ストローズは憎まれ役ではあるのだけれど、同時に「世の中には不滅で激烈な執念がある」ことへのリマインダーでもある。

この前読んだ『通り過ぎゆく者』のオッペンハイマー周りの描写は「世界の法則が非人間的 (非人道的という意味ではなく) であること」のモチーフなのかなーという感じだったけれど、こちらはそのスケールも踏まえたうえでどう耐え忍んでいくのかに焦点を当てている感じの印象。