ぺんぎんの営巣地

ほとんど個人的な日記だよ。毎日こうしん。

20221226

『すべての見えない光』を読んだ。
本当に情緒が溶けていく感じの傑作で最高だった……。

こういう、時間によって風化されきらなかったひとの体温を辿っていくみたいな話が本当に好きなんだよなあ。
サン・マロの荒涼とした潮風のイメージも伴ってひたすらに切なさが掻き立てられる。

プロットだけ辿ると無常感溢れる内容になりそうなところが、登場人物それぞれの信念が緻密に書き込まれているおかげで例えキャラクターが退場してもそれぞれの想いが読者の心の中で場所を占めてくる感じ。

クライマックスの場面とかは周りの音がすべて消失したかのように感じたし、その後の余韻もまた本当に善い……。

次にフランス行くときはサン・マロ行きたいな。